釣藤散(ちょうとうさん)の考察

釣藤散(ちょうとうさん)の考察

釣藤散(ちょうとうさん)はよく知られた優秀処方です。
当店では神経系、循環器系の疾病で用いることがあります。
現在の文献を読むと「体力中等度・・」とか記載されておりますが、証はどちらかというと「やや虚」の傾向のある方に向いていると私は考えています。
体型、体力は普通であっても、内部は虚になりつつある方がたくさんいらっしゃいます。
近年のメタボ検診などの実施で、太鼓腹がでているため、スーツのボタンが閉じられない男性はさすがに少なくなりました。
しかしながら、一見して普通に見える体型でも気血のバランスに歪みを生じている方が増えています。
その要因としては筆頭に精神的なストレスが挙げられます。
ご性格は几帳面でどちらかというと神経質。
頭痛が慢性的に発症して市販薬の鎮痛剤をついつい飲んでしまう。
血圧はやや高めで、夜は就眠しにくく、朝の寝起き悪く、出社しても頭がもやもやして頭重感。
午前中の電話でいらついたり、小さなことで部下を叱ってしまったり。
ところが昼の愛妻弁当を食べた頃からやっとエンジンがかかり、頭痛も解消。
ご機嫌も回復して・・・。
久々の社内検診で担当医から血圧が境界型と言われ、おまけに昨年の検査結果も含め、
「動脈硬化の疑い」と警告されて愕然となる。
あなたの周囲にこんな上司さん、お父さん、友人、知人。いらっしゃいませんか?
(由来)
釣藤散(ちょうとうさん)は『本事方(類証普済本事方)』に収載され、「肝厥(かんけつ)の頭痛を治す」とあります。
浅田宗伯の『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』には「此の方は俗にいわゆる癇症(かんしょう)の人、気逆甚だしく,頭痛眩暈(げんうん)し,或は肩背強急、眼目赤く、心気鬱塞する者を治す」
とあります。
※類証普済本事方(許叔微・1132)
※勿誤薬室方函口訣(浅田宗伯・1878)

(目標)

目標に早朝時の頭痛があります。
または早朝の頭痛でなくとも、のぼせる、肩がこる、めまいがする、耳が鳴る、眼が充血する、または眼がかゆかったり、眼がくしゃくしゃしたりする、
つまらぬことに腹が立つ、取り越し苦労をして気分が鬱陶しい、からだが宙に浮いたようで足が軽く、ふらつく、などの症状があって、頭痛するものに用います。
腹部は軟弱で、あまり強く緊張していないことが多い。
特に高齢者にみられる所見であるが、若年でも皮膚が枯燥して光沢の少ないという点を応用上の参考とします。

(構成生薬)


釣藤鈎(ちょうとうこう)、陳皮(ちんぴ)、半夏(はんげ)、麦門冬(ばくもんどう)、茯苓(ぶくりょう)、人参(にんじん)、菊花(きくか)、防風(ぼうふう)石膏(せっこう)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)

(機序)

●釣藤鈎は、鎮静、鎮痛、鎮痙降庄作用を有し、自律神経系の興奮を鎮静させて、痙攣、震顫を緩和する。
●菊花は、鎮静、降庄作用を有し、目の充血 頭痛を緩和する。
●人参、甘草、茯苓は、消化吸収を促進し、機能を高める。
●半夏、陳皮、生姜は、胃腸の嬬動を強め、消化管内の水分停滞を改善。

(応用)

臨床応用として神経症、不眠症、動脈硬化症、高血圧症、メニエル症候群、更年期障害、慢性腎炎・頭痛などに用いられます。

【釣藤散(ちょうとうさん)の取り扱い製剤】

◎「小太郎漢方 釣藤散エキス細粒G」
https://www.protan2.com/archives/21628
◎ウチダNO.68双鈎順気エキス細粒
https://www.protan2.com/dream/archives/129
◎ウチダの釣藤散料エキス散500g徳用ボトル
https://www.protan2.com/archives/15943
◎「松浦の釣藤散エキス細粒」
https://www.protan2.com/matu500/archives/776
◎「一元の錠剤漢方 釣藤散」
https://www.protan2.com/archives/5280